国内の10社が参画。WWFジャパンによる「国際プラスチック条約企業連合(日本)」が発足

海洋を含む環境汚染や地球温暖化などの問題をかかえる「プラスチック」。持続可能な未来のために、使い捨てのプラスチック製品を使わないライフスタイルが求められています。

 2023111日、「公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン」(以下、WWFジャパン)による「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」が発足しました。プラスチック製品を生産する企業から、SDGsをさらに踏み込んで法的拘束力のある条約実現を日本政府に求めていきます。

持続可能な形でのサーキュラーエコノミーへの転換のために

シンボルマークのパンダロゴで有名なWWFは、1961年にスイスで設立され、現在世界100カ国以上で活動している環境保全団体です。人と自然が調和して生きられる未来を目指し、自然環境・動物・植物の調査と研究、保全などが行われています。

 さらに「気候変動枠組み条約」や「生物多様性条約」など、環境保全にかかわりの深い国際会議に市民グループなどと共に参加し、政府代表団に対して積極的に意見を言うロビー活動も盛んに行なわれるようになっています。

2022年3月の第5回国連環境総会再開セッションにて、決議5/14 「プラスチック汚染を終わらせる:法的拘束力のある国際約束に向けて」 が175カ国の合意によって採択されました。これに伴い、政府間交渉委員会 (INC: Intergovernmental Negotiating Committee on Plastic Pollution) が発足しました。

そして、2022年9月に国際的にサーキュラーエコノミーを推進する「エレン・マッカーサー財団」と「WWF」の呼びかけで「国際プラスチック条約 企業連合」が発足。プラスチックのバリューチェーン全体に関わる150以上の企業、金融機関、NGO パートナーが参加し意見を表明。プラスチックをサーキュラーエコノミーへと移行させ、プラスチックの大量生産に伴う大量廃棄と汚染とを阻止できる国連条約の締結を共同で求めています。

1113日~19日には、ケニアのナイロビでプラスチック汚染対策の国際条約(INC-3)の制定に向けた政府間交渉第3会合が開催。「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」は、INC-3の開催に先立ち、プラスチック問題の解決を推進する日本の企業が、日本政府に対して流出や流出後の被害が大きい使い捨てプラスチックの禁止を含む野心的な内容で国際条約の発足を働きかける新たな枠組みです。

「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」の立ち上げメンバーとして参画するのは、Uber Eats Japan 合同会社、株式会社エコリカ、キリンホールディングス株式会社、サラヤ株式会社、テラサイクルジャパン合同会社、日本コカ・コーラ株式会社、ネスレ日本株式会社、ユニ・チャーム株式会社、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社、株式会社ロッテ(五十音順)の10社。日本政府に対し、持続可能な形でのサーキュラーエコノミーのアプローチによるプラスチックの生産と使用の削減、根絶できないすべてのプラスチック製品の循環、プラスチック流出の予防と回復を求める共同声明を発表しました。
<共同声明全文>
日本語版 https://www.wwf.or.jp/activities/statement/5450.html
英語版 https://www.wwf.or.jp/eng/activities/5451.html

WWFジャパンの事務局責任者「三沢行弘(みさわ ゆきひろ)」さんは、「プラスチック国際条約を実効性のあるものとするためには、これまでの国別の規制の寄せ集めとしての形式的なものではなく、拘束力を持つ野心的な世界共通ルールに基づくものとすることが極めて重要」と語っています。

プラスチックは便利な素材で、生活のもっとも身近にあるもの。しかし、大量生産による使い捨てを前提としていることにより、自然環境中への流出や、温室効果ガスの排出などで地球に甚大な負荷を与えています。

 ビジネスだけでなく、脱使い捨てプラスチックのアプローチはひとつではありません。循環が難しいプラスチックの状況と課題を知り、アクションを起こしていくことも可能です。私たちも参加できる投票のページがあります。

※「法的拘束力のある世界共通ルールを! プラスチック国際条約に関する投票を開始」
https://www.wwf.or.jp/activities/project/5444.html

 

 WWFジャパン https://www.wwf.or.jp/

 

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