2007年にアーンスト・アンド・ヤング社が、ドイツ国内で消費者に行ったアンケート調査結果によると、オーガニック商品の品揃えが豊富な店舗があれば、買い物の場所を替えてもよいとする回答者が76.9%も占めている〈表1参照〉。実際、どの位の消費者が買い物先をスイッチオフするのかはわからないが、オーガニック商品が豊富に揃うオーガニック専門店に消費者の多くが興味を抱いている事が見て取れる。さらに、オーガニック製品の購入先として消費者が第一に挙げたのが、オーガニックスーパーやオーガニックショップ等の、オーガニック専門店である〈表2参照〉。消費者がオーガニックスーパーで買い物をする頻度が次第に増えてきているとするトレンドは、他のリサーチ結果でも明らかである。
一方、2007年から新規参入した量販店〈表2に斜体表記〉も健闘している。オーガニックという価値を求めながらも、価格にもいっそう敏感な消費者のために、OEMによるプライベート・ブランドの開発に取り組んだのである。これに対し、Reformhausは先発者の優位性を維持しかねている。次々に現れた個人経営の小規模なオーガニックショップや、オーガニックスーパーが業態を脅かすようになったからだ。販売員によるきめ細かなサービスに重点を置くReformhausではあるが、消費者の視点からすると、個人経営のオーガニックショップとの業態が似ていることもあり、その差異が明確となっていない。現在、オーガニック専門のリサーチ会社であるbioVista社と提携し、フランチャイズ店舗の改革に全力を注いでいる。
実際、オーガニックショップやオーガニックスーパーを訪れると、消費者はのんびりとした雰囲気の中、買い物を楽しんでいる。それでは、どの位の世帯がオーガニック製品を購入しているのであろうか。ヨーロッパ最大のリサーチ会社GfKによると、現在ドイツの94%の世帯がオーガニック製品を購入するようになったという。しかし、その購買様式は一様ではなく、オーガニック製品の購買頻度から、下記の3つのグループに細分化できるとしている。
時々購買
ドイツの大部分の世帯がこのグループに分類される。食品の内、ごく限られた製品をオーガニックで代替しており、購入額も僅かである。
頻繁に購買
定期的にオーガニック製品を購入する消費者で、購入額も前者より多い。
常連
ドイツの世帯数の約10%。少なくとも1週間に1度はオーガニック製品を購入し、食品や飲料水の約20%をオーガニック製品で代替している。また、オーガニック製品の総売上の約60%を、このグループが買い支えている。
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