花咲くシアバターノキ
西アフリカにあるブルキナファソは、元気であったかくて優しい人々が暮らす国です。しかし一方で、貧困やHIV/AIDSなどの感染症、砂漠化、低い識字率や就学率、高い乳幼児死亡率と妊産婦死亡率などの課題をかかえている国でもあります。
ブルキナファソの特産品の一つシアバターを使い、石鹸などの企画から販売技術支援まで行っている日本人の女性がいます。元海外青年協力隊の森重裕子さんです。
森重さんは、JICAとブルキナファソの森林プロジェクトに協力していました。プロジェクトは2012年に終了し、金鉱山開発や国内外の高い経済成長率、各村落内の状況変化などの影響で、森林管理活動やシアバター生産を続けているグループが減ったものの、今はやる気のある約7-8村落に絞って活動を続けています。
シアバターは国有林内とその周辺の野生の木から採取されているので、遺伝子組み換えや農薬の散布などは行われていませんでした。しかし、さらに周辺の畑からの農薬の影響を受けないよう、国有林内ではすでに1500本のシアバターノキの植林を済ませ、1200本ほどの苗木が育てられています。
これはPresent Tree for Africaという、日本の市民参加型のプログラムです。観光の中心地に近い、国有林内のシアバターノキから種子を収穫するという付加価値の高さだけでなく、エコツーリズムや環境教育への応用などが期待されているそうです。
‘Present Tree for Africa’
シアバター作りは、女性たちによって古代エジプト時代から続く伝統的な手作業で行われています。ブルキナファソのシアバターは、スキンケア&ヘアケアだけでなく、皮膚炎や関節痛、傷、やけどの治療、脳髄膜炎予防、紫外線や風から皮膚を守るのにも使用されています。
【左】シアバターづくりをする女性たち 【右】きれいなシアバターのできあがり
ア・ダンセのシアバター石鹸は、すべての製造工程が現地で行われています。石鹸作りは、ラキエタ・エイズ対策センターの女性研修所のスタッフが請け負っています。石鹸製造には薬学博士の製造責任者が置かれ、コールドプロセス製法という製法で高品質な石鹸ができあがっています。利益は生産スタッフの収入を含む研修センター運営費、エイズ対策事業にも充てられているそうです。
オーガニックやフェアトレードは、そこで働く人々の健康や、女性の立場の向上、そして環境を守っています。壊れつつある森林を適切に管理しながら使用することは大切なことです。ブルキナファソの少なくとも2つの国有林では、森林の保護や管理活動費の捻出のために、ア・ダンセのシアバター販売利益が大きな貢献をしています。
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ア・ダンセ http://www.a-danse.jp/
Present Tree for Africa http://www.presenttree.jp/lineup/lineup12.html
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |