【OLE2025】サステナビリティの最前線を知る会議や製品が集結するセレクションも同時開催

「第10回オーガニックライフスタイルEXPO EAET in 東京 2025」は、「第3回サステナブル★セレクション EXPO2025 in 東京」、「第2回オーガニックビレッジ連携会議 EAST」、「第5回オーガニックカンファレンス/官民連携創出会議」と同時開催。

ローカルの現状、コスメ、微生物や暮らしまで、多角的な視点でオーガニックを学ぶことができる会議が充実していました。参加する度に、自分に向き合い目指すべき形を考える機会になります。

今回は、少子高齢化、財政危機、地域の担い手不足の解決に期待される「ふるさと住民登録制度」に関する会議と、「第3回サステナブル★セレクション EXPO2025 in 東京」で見つけた興味深い商品をご紹介します。

都市に住みながら地域に関わる関係人口を増やす

住んでいない地域の活動に参加することも!

高橋博之(たかはし ひろゆき)さん講演による「有機農業の多様な展開と地方の活性化 ―ふるさと住民登録制度―」。高橋さんは、関係人口という概念を考案した人です。関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人の総数(参考:総務省「二地域居住・関係人口 ポータルサイト」)。

内容は、まず高度経済成長の時代に都市の経済を支えるため、地方の若者がより良い雇用や所得を求めて都市部へ大量に移動し人口集中が起こったという、現在の地域課題につながる背景が語られました。

今、若者の流出によって地域が疲弊しています。100年先の農業のためには人が必要。地域の生産年齢人口の減少を恐れるのではなく、都市と地方の分断をなくし関係人口を増やすことで、人口減少のままでも経済を成長させ、その地を元気にしていくことが可能です。

そのために注目されるのが、20256月に政府が基本構想を策定した「地方創生2.0」の中で、新たな制度として発表された「ふるさと住民登録制度」。2026年度から創設が検討されています。

生産の現場を知りお互いを理解するために、生きるリアリティを取り戻すために、ウェルビーイングのために、ふるさとはいくつあっても良いのでは、と話しに引き込まれていきます。

今より自由に働いてみたいと感じていたら、行動に移してみるのも良さそうです。リモートワークや副業も増えていますが、「ふるさと住民登録制度」は移住よりハードルが低いものです。

20257月時点の情報では登録可能数に制限はありません。押し活のように、押しの地域があるのは楽しそう!

そして、農家と消費者でつくる農業コミュニティなどの事例、「株式会社アバンティ」の創業者「渡邊智惠子(わたなべ ちえこ)」さんが学長を努める「のとひとカレッジ」https://spiraloflife-noto.com/が紹介されました。

自分らしく働き、自分自身が成長していく「ワークインライフ」や、「プロデューサー(生産者)」と「コンシューマー(消費者)」を組み合わせた造語で、消費者が自ら生産活動に関わる「プロシューマー」の到来が予想されるという話に、気持ちが高揚しました。

日本の心に寄り添う持続可能な塗料が登場

一般社団法人サステナ経営協会が主催する「第3回サステナブル★セレクション EXPO2025 in 東京」は、まさに「サステナブルな商品な理念と手法で開発された製品やサービスを推奨するプログラム」。

製品などは一つ星から三ツ星に分けられています。

「一つ星(★)は『製品・サービスが、持続可能な社会づくりに貢献していること』、二つ星(★★)は『★に加え、取り扱う企業・組織がサステナブル経営に取り組んでいること』、三つ星(★★★)は『★★の中から特に大きな社会的インパクトを生み出していること』を表します」

一つ星ながら、将来性がありそうで楽しいプロダクトを見つけました。

塗料メーカー「日研株式会社」のプロジェクト「n+ / エヌプラス」の「コケヌル」という、生きている苔でつくられた製品です。

いろいろな小物に塗って楽しむアイデアも提案

「『コケヌル』は砂苔を利用した水性塗料。塗った後に日光や湿度などの環境が整えば、光合成を再開して育つ可能性もある生きた塗料」。新芽を出し成長していくことで、経年変化も楽しめそう。

材料の苔は、山形の苔農家さんから仕入れた自然栽培のもの。

毎年採集できるので、資源枯渇の心配はありません。苔は「侘び寂びの精神」や「仏教思想」などの影響もあり、日本人の心を癒す効果があると言われています。苔庭、苔玉や苔テラリウムと、苔はいつも静かにブームです。

建物や塀などの壁面を植物で覆うことで、省エネ効果、大気浄化、騒音低減、景観向上、癒し効果など、多岐にわたるメリットをもたらす「壁面緑化」を見かけるようになりました。ふんわりした苔の壁面にも同じ効果があるのでは。

デメリットはメンテナンスやコストですが、それは壁面緑化と同様。生きた植物を扱うのは、それなりに大変なことです。一方で、心を豊かにしてくれるメリットも。

「日研株式会社」は、「植物や火山灰などの自然由来の原料を使ったり、廃棄される瓦やレンガなどをアップサイクルした塗料を開発」している企業。「今まで石油や化学製品で構成されていた塗料成分の90%以上を、廃材由来の塗料で代替することに成功」させた商品開発が行われています。

日研株式会社  n+ / エヌプラス   https://n-plus.nikken-k.org/

 

「オーガニックライフスタイルEXPO」のサイトには、「2026年からサスティナビリティを次のステージへ──社会や産業、ライフスタイルが真に変化し、実践へと動き出す時代に向けて、オーガニックライフスタイルEXPOはその『シフト』をともに描いてまいります」という力強いメッセージがありました。

「生産から消費、地域から世界へ。人と自然の関係を見つめ直し、新しいサステナブルの形を共有する場として、より多彩な出展・企画を準備中です」

社会や企業の在り方と私たちの生き方の価値観が、さらに深化していく印象を受けました。

 

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出展募集中!
1、 プレミアムフードショー第9回オーガニックフードEXPO 2026
(BtoB)出展者募集 ※締め切り2026.1月31日
エントリー資料はこちら https://ofj.or.jp/ofe/ofe_ex/ofexpo.html

2、 第3回オーガニックライフスタイルEXPO West in京都2026
(BtoBtoC)出展者募集 ※締め切り2026.1月31日
第11回東京EXPOと同時申込で割引あり 
エントリー資料はこちら https://ofj.or.jp/ole/ole_ex/202606_kyoto.html

3、 第11回オーガニックライルスタイルEXPO EASTin東京2026
(BtoBtoC)出展者募集 ※締め切り2026.6月30日
第3回京都EXPOと同時申込で割引あり 
エントリー資料はこちら https://ofj.or.jp/ole/ole_ex/202611.html

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執筆者:奥田 景子

ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。

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