「オーガニックライフスタイルEXPO2023」では、たくさんの自治体や伝統ある企業、さらに挑戦を始めたばかりの企業や団体を数多く見かけます。
魅力的な食品が並ぶ中で、有機グラスフェッドチーズを生産する「チーズ工房CHEESEDOM」が気になりました。有機JAS認証を取得した国産チーズはとても珍しいからです。
店頭に立つ工房長の中山恵里子(なかやま えりこ)さんへ話をうかがってみました。
CHEESEDOM工房長の中山恵里子さん
「チーズ工房CHEESEDOM」があるのは、北海道は日本海に面する小さな町「瀬棚町(せたなちょう)」。標高250mの眼下に奥尻島を望む丘の上に広がる、先人たちの手によるオーガニック放牧地。そこで育てられるブラウンスイス種とジャージー種の牛乳から有機ナチュラルチーズがつくられています。
「2022年の1月からうちは本格稼働しました。コロナ禍で留学はできなかったため、2021年の春に3カ月間住み込みで北海道の共働学舎新得農場で研修を受けてからスタートしたんです」
気候はノルマンディーに似ているという有機JAS認証牧場
ストレスなく育てられる牛から美味しいチーズが生まれています。
「だいたい4月の中旬から11月下旬ぐらいまでが放牧の期間なんです。それ以降、雪が降ると牛さんたちは牛舎に入っていき、冬は乾燥した牧草を食べています。チーズづくりは冬も続きます」
牧場からいただく牛乳の特徴は脂肪分が高いことだそう。
「でもグラスフェッドの牛乳は、コクがあってサッパリしているんですよ。脂肪分が高い牛乳からつくるのは、白カビタイプのカマンベール『瀬棚–SETANA』や『RAM-ラム』が合っていますね」
日本で一番海の近くにある有機JAS認証チーズ工房
「瀬棚町」は漁業も酪農も農業も盛んな町だそう。チーズは、その地の夕日が沈む海の見える工房で製造。牛乳の運び方や製造にもこだわりがあります。
「いただいた牛乳は、モーターなどは使わずに一缶一缶を大事に扱っています。もうそこは手運びで、あまり傷つけずに、あまり揺らさず。本当に赤ちゃんを扱うような感じで。
製造では、電気をあまりかませないのも大きな特徴です。昔ながらの新鮮さがお客様に伝わればいいなっていうのが1番なので、そこはちょっとこだわっていますね」
殺菌の工程までは、モーターを使用せず生乳を傷めない工夫をしているそう。
「CHEESEDOM」の象徴的チーズのカマンベール
有機JASの認証を受けている工房は、日本でも4社ぐらいだと言います。
「そうですね。でも、オーガニック・有機JASは目的ではなくて、自分たちのやりたいことを信念を持ってやり続けていくことが目標。これからも変わらずに自分たちのチーズをつくっていきたいと思っています」
創業してからすぐに3部門のチーズが賞を取って、品質の高さを認められています。
「ええ、2022年の10月の『JAPAN CHEESE AWARDS 2022』のコンテストに出品させていただきました。フロマージュ・フレ、カマンベールの『瀬棚-SETANA』、モッツァレラチーズの3部門で銀賞をいただいて本当に嬉しかったです。これからもっともっとおいしいチーズつくれるように頑張りたいと思います!」
有機JAS取得だけでも大変なことです。さらに自然と調和しながら行われる、丁寧で妥協のないものづくりを素晴らしいと感じました。
チーズ工房CHEESEDOM(株式会社マウニーテイル) https://cheesedom.jp/