【 五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方 Vol.19 】 2022.11.7~2023.2.3 冬の養生

「ポジティブ介護」がテーマの2022年コラムもいよいよ最後となりました。先日、今更ながら介護について学ぼうと、県主催の介護入門講座を受講。介=助ける、護=守る、なので、介護とは「人の生活を助け守ること」だと。オーガニックも人の身体や環境を「助ける」「守る」もの。まさに同じだと感じました。

今回のコラムでは、「守る」ことに焦点をあてて考えたいと思います。

心身を守る感情のコントロール

メキシコ製のクリスマスオーナメント

前回のコラムで、東洋医学では季節によっておこりやすい感情がある、とお伝えしました。冬は恐れを感じやすい季節。ただでさえ寒さから体調を崩しやすい時に、将来の介護に不安を感じ恐れたりすると、より心身の不調をまねきやすくなります。介護生活では、とくに家の環境が大切。介護中の人は、なるべく部屋の中を明るい雰囲気にするよう心掛けてみてください。

クリスマスが待ち遠しい季節になりました。我が家では、今年の夏にキリスト教モチーフにひかれ購入した、メキシコ製のクリスマスオーナメントをツリーに飾るのが楽しみです。

心身を守る食

コラムVol.9で書いたように、冬は老化が進む季節。それを補うには黒い食材が大切です。黒い食材は意識しないと不足しがち。私は簡単に摂ることのできる黒ごまをよく食べます。黒ごまには高い滋養強壮効果が。加齢によるトラブル改善のほか、慢性疲労、生理不順、脱毛、便秘、耳鳴りなどの症状にもよいと言われています。

黒ごま塩はごはんや蒸し野菜などに、黒ごまペーストは煮物にかけたり、パンに塗ったり、いりごまはすって和え物や黒ごま粥など。摂る量の少ないものだからこそ質の高いものを選び、いろいろなお料理に利用しています。

心身を守るオーガニックな暮らし

母の介護をするためには、まずは私自身の心身の健康が大切。日々、栄養価の高い食べ物を食べたり、オーガニック化粧品の香りに癒されたり、天然素材の布のやさしさに包まれたり… 介護と仕事の両立の中、更年期真っ只中でも健やかに過ごすことができているのは、そんな暮らしに守られているからだと感じています。

前日の残り物を豆皿についだ朝ごはん。豚汁で温まります。

これからは日に日に寒さきびしく。朝ごはんでしっかりと体温を上げることは免疫力アップにもつながります。寒い季節、私は栄養たっぷりの豚汁がお気に入り。最後に、具材のうまみが凝縮し格段においしくなる豚汁の作り方をご紹介したいと思います。お好みの味噌、豚肉、野菜でぜひお試しください。

【作り方】
①鍋にごま油を入れしょうがを炒める。香りが立ってきたら大根、人参、ねぎ、ごぼうなどお好みの野菜を炒める。
②野菜がしんなりしたら、その上に食べやすい大きさに切った豚肉を広げながら並べる。豚肉から脂が出ることで、野菜が豚肉のうまみをすう。豚肉の色が変わるまで野菜と一緒に炒める。
③豚肉に火が通ったらだし汁を加える。沸騰したらアクをとり、弱火で蓋をして加熱。蒸してうまみを凝縮させる。
④煮ている間に、すり鉢に味噌と③のだし汁を少々加え、すりこぎを使ってみそを溶く。
⑤約10分したら③に④の味噌を入れる。味噌を入れたら煮立たせないように注意する。

※だし汁でなく水でも十分においしい。だし汁を使った場合、味噌の量は少なめでよい。

 

この一年「ポジティブ介護」をテーマにお届けしました。母の介護をする日々で強く意識するようになったのは、自分自身の介護予防ための暮らしを大切にすること。大事に育ててくれた母の介護を、今自分がすることを受け入れていきたい。そしてこれからも、オーガニックな生き方を丁寧に積み重ねていきたいです。

立冬過ぎると日に日に年末の足音が近づいてきます。寒さから身を守りながら、どうぞお元気で師走をお迎えください。

※冬の養生については「 五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方Vol.4914 」を併せてお読みください。


五十嵐和恵
ポジティブ・エイジング アドバイザー、健康管理士一般指導員、食育インストラクター。福岡市出身。時間とともになんとなく年をとるのではなく、加齢に対して前向きに準備をしながら素敵な年齢を積み重ねてゆく=「ポジティブ・エイジング」を提唱。東洋医学のある暮らしでうつ病や難病も克服。お子さんからシニアまで幅広い世代の方に、セミナーや講演会を開催。福岡県立高等学校食育出前講座、西南学院大学市民講座などの講師を務める。
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