
街なかや公共交通機関で見かけなくなったゴミ箱。
ゴミ箱が減った背景には、セキュリティ対策や衛生面の懸念、家庭ゴミの持ち込みといった、さまざまな理由があります。一方で、ゴミ箱の不足は、ポイ捨てや街なかでのゴミの散乱につながってきました。
そんなゴミ問題の解決策として、2020年から表参道で設置されているのが「株式会社フォーステック」が展開するIoTスマートゴミ箱「SmaGO(スマゴ)」です。
フォーステックが街のゴミ問題に向き合う背景には、代表取締役社長の竹村陽平(たけむら ようへい)さん自身の原体験があります。彼の趣味はマリンスポーツ。「海に流れ出るゴミの約8割は街から来ている」と言われていることを知り、街のゴミ問題に関心を持つようになりました。
欧米に比べると日本は街なかにゴミ箱が少ないことに課題意識を感じていた頃、仕事で訪れたボストンでスマートゴミ箱を目にし、この仕組みを日本の街でも展開できないかと思ったことが事業のきっかけになったそうです。
フォーステックのスローガンは、「『Smart Action on the GO』(環境のための具体的なアクションを続けていく)」こと。SmaGOの設置を通じて、街と企業と人々が一体となって取り組む環境活動を提案しています。
2023年から「スマートアクションプロジェクト」として、表参道に設置してあるSmaGOを障害のある作家が描くアートでラッピングするプロジェクトが始まりました。
「日本特殊陶業株式会社」の支援のもと、異彩を放つ作家(福祉施設に所属するなど、障害のある作家)をサポートする「株式会社ヘラルボニー」との連携によって実施されています。
2026年1月には、東京・表参道に設置するSmaGOが秋デザインから冬デザインへ刷新。
街なかのゴミ箱が、隠すもの・機能性のみを求めるものから、アートを取り入れた街のインテリアのような存在へと変わっています。
社会インフラとして活躍するアートなゴミ箱
作品名:「So-cold crescendo.」
作者:谷田 圭也之 Kayano Tanida (個人|タイ/チェンマイ)
「2023年に始動した当プロジェクトは、表参道沿いに13箇所34台設置されたIoTスマートゴミ箱SmaGOを核に『ゴミを正しく捨てることからはじまる循環型社会へのチャレンジ』を掲げて展開しています」(SmaGOホームページ「News」より引用)。
表参道という街に違和感なく溶け込むアートとゴミ箱の融合。循環型社会の実現と共に、多様性を認め合える社会を目指しているそう。
ラッピングは、3か月ごとに更新。季節ごとに変わるアートは、表参道の景観と人々の意識をアップデートしていきます。
IoTスマートゴミ箱「SmaGO」
改めてSmaGOの機能面を紹介します。
SmaGOは、太陽光発電機能・圧縮機能・通信機能を搭載したスマートなゴミ箱です。ゴミ箱の上部についたソーラーパネルで太陽光発電によって稼働し、ゴミがたまっていくとセンサーがゴミを察知。ゴミがたまるたびに圧縮し、同サイズのゴミ箱の約5倍ものゴミを収容することができます。
たまっているゴミの量はクラウド上で確認することができ、いっぱいになる前に、ゴミを管理する自治体や施設の管理者にメールで通知。ゴミの投入回数や回収回数の統計も取ることができ、ゴミ回収の効率化が可能になります。
また、回収回数の削減に伴いゴミ収集車が排出するCO2の削減にもつながります。
環境保全を伝える「街のメディア」として機能するSmaGO(那覇市での実証事例)
SmaGOのラッピングは、分別の啓発や環境保全をはじめとした、さまざまな取り組みやメッセージを街の中で自然に伝える発信の場としても活用されています。
SmaGOの設置を支援するパートナー企業が、環境や社会への姿勢を街の中で伝える場としても機能しています。
日本全国に広がっているSmaGOですが、設置から5年経った表参道では、ゴミ箱のあふれやポイ捨てが大幅に減少して街が綺麗になっただけでなく、ゴミの回収回数も3分の1以下になり、分別率も向上しているといいます。
SmaGOの設置による大きなプラスの効果。
担当の方は、「SmaGOの設置により、商店街や利用者の方々からの喜びの声をいただいています。実際に街の中で役立っていることを実感でき、非常に嬉しく感じています」と、語ります。
ゴミは分別することで資源に変わります。
同時にSmaGOは、私たちの快適な生活と循環型社会を支える基盤、大切なインフラとなるゴミ箱でもあります。
SmaGOには、かかわった多くの人たちの思いが詰まっているようです。
スタイリッシュでスマートなゴミ箱の思いが人の意識に変化をもたらすことを面白いと感じました。近くにあるSmaGOを探してみたいと思います!
SmaGO https://smago.jp/
株式会社フォーステック https://forcetec.jp/
ORGANIC NETWORK編集部
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