2019年度に創設された、科学技術・イノベーション（Science, Technology and Innovation：STI）を用いて社会課題を解決する日本発の優れた取り組みを表彰する「STI for SDGs」アワード。
2025年10月、オーラルピースプロジェクトを産学連携で展開する「株式会社トライフ」「株式会社優しい研究所」「九州大学」が、奨励賞を受賞しました。
「乳酸菌バクテリオシン、ナイシンを利用した安全な口腔ケア剤の開発と事業化（宇宙で採用される革新的な口腔ケア製品、世界の介護負担低減と障がい者の仕事創出）」が評価されました。
日本発の優れた取り組みを表彰する
「STI for SDGs」アワードの受賞は、オーラルケア製品・歯科界にあって初の快挙です。
【受賞概要】
2025年度「STI for SDGs」アワード奨励賞
主催：国立研究開発法人 科学技術振興機構（JST）
団体名：株式会社トライフ、株式会社優しい研究所、九州大学（オーラルピースプロジェクト）
受賞取り組み名：乳酸菌バクテリオシン、ナイシンを利用した安全な口腔ケア剤の開発と事業化 （宇宙で採用される革新的な口腔ケア製品で世界の介護負担低減と障害者の仕事創出）
オーラルケアは健康なライフスタイルのためにとても重要。
ここで、改めてオーラルピースプロジェクトについて紹介していきます。
九州大学プロジェクトスタッフ
オーラルピースは、「宇宙で採用される日本の国立研究機関発のSTI（サイエンス・テクノロジー・イノベーション）により、九州大学との産学官連携で発明された、天然由来の乳酸菌ペプチド特許製剤『ネオナイシン-e®』を配合した水と植物由来原料のみでつくられる口腔ケア製品」です。
口腔内トラブル原因菌への優れた有用性が認められた、飲み込んでも安全な口腔ケア。誤飲・誤嚥しても体内で消化・分解されるため、吐き出しが難しい方でも安心です。
水のない環境でも新生児から妊婦さん、お年寄りまで幅広い年齢層に使えることから、災害時の備えにも最適。普段通りの口腔ケアが困難になる避難所などで、誤嚥性肺炎などの発生リスクの低減にもつながる優れたオーラルケアアイテム。
高齢者施設で採用されている「オーラルピース」
「オーラルピース」が使われている介護の現場。その信頼度は高いものです。
「世界一高齢化が進む日本の要介護高齢者は現在約700万人、介護費用は年間10兆円を超え2040年には25兆円まで膨らむ試算、介護者負担の増大と共に大きな社会問題に。そして世界人類普遍の社会課題として、将来は世界中で日本と同じ高齢化問題が大きな規模（2050年までに世界の65歳以上人口は15億人超え）で予想されています。
そして厚生労働省は、健康寿命を延ばし平均寿命の差の約10年（つまり介護期間）を減らすため、適切な口腔ケアによるオーラルフレイル※の予防、歯の本数とアルツハイマーとの相関から8020運動（80歳までに20本の歯を残そう）など、健康寿命の伸延と介護負担低減のための『口腔ケア』の推進に力を入れています」。
※「口の虚弱」を意味し、わずかなむせ、食べこぼし、滑舌の悪さなどの「ささいな衰え」の状態を指します。放置すると低栄養、全身の衰え（フレイル）、要介護状態につながる可能性が指摘されています。
「日本では1日に数百名の方が誤嚥性肺炎で亡くなっているなど、口腔内に増殖する細菌が原因となる虫歯・歯周・口臭・誤嚥性肺トラブルなどに悩む高齢者が増えている」そう。
また、介護者や家族による口腔ケアの負担や誤嚥性肺炎による入退院への負荷は重く、家庭や介護現場では安全に簡単に効果的なケアを行いたいという思いがあります。
障がい者を雇用する機会に
さらに、「オーラルピースプロジェクトは社会に貢献する革新的な製品開発にとどまらず、障がい児の親の団体が母体となり、生産・流通・販売など、本業を通した全国の障がい者の仕事創出や親亡き後問題解決（SDGs）」に取り組んでいます。
「オーラルピースは、乳酸菌由来の特許製剤『ネオナイシン-e』で、口腔内トラブル原因菌を抑え、高齢化により年間10兆円を超え増大する（2040年には日本の介護費は年間25兆円予測、2050年の世界の65歳以上人口は15億人超予測）介護負担・コストの低減を目指します。
宇宙での採用という実績は、日本の国立研究機関発のSTIの信頼を、障がい者就労と利益分配に直結。10年でのべ3,000名に3,000万円を分配、累計200万本出荷、世界15カ国に展開。医療・自治体に広がりました」。
環境面では、「カーボンフットプリント（CFP）を活用」した認証マークの「どんぐりマーク」認定と生分解性を約束。今後は、海外現地生産×現地支援を開始し、日本モデルとして現地に11個のSDGs 項目1/3/4/8/9/10/12/13/14/15/17のインパクトを出します。
「宇宙で活用される日本の国立研究機関の乳酸菌バイオテクノロジー研究による、便利で安全で効果的な口腔ケア製品、加えて高齢者介護負担を低減、健康や環境に良く、売上が伸びるほど障害者支援が増えるという、日本発の『STI for SDGs』モデルです」。
国際宇宙ステーションで採用される、乳酸菌バクテリオシン特許製剤「ネオナイシン-e」を配合しているのが、オーラルピースの一番の特徴です。口の中のトラブル原因菌に超低濃度で瞬時に作用しながらも、ケミカルフリーという革新的な口腔ケア製品。
宇宙で活用される、日本の国立研究機関発のSTIと多様なパートナーシップにより世界一の高齢化国家日本の介護負担を下げ、事業を通した障がい者の仕事創出や環境保護、災害支援活動など、世界の社会課題解決にもつないでいく、それが「オーラルピースプロジェクト」の取り組みです。
オーラルピース https://oralpeace.com/
ORALPEACE YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PLBegZ2BmeuTIaOS55wJXZSj7G_-VmPOAF
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執筆者：奥田 景子 ライター（エシカルファッション、フェアトレ－ドなど）。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。２０１３年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |
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