新緑さわやかな季節が到来。以前は旅の計画をたてるのが楽しみでした。SNSで他の人が旅している様子を見る度、同居で介護をしていると自由に出かけづらく、やるせなさを感じるのは正直な気持ち。気分だけでもリフレッシュ！ と、楽しんでいるのが各国料理です。
「ポジティブ介護」がテーマの2022年。今回は「食で世界を旅する」をテーマにお届けします。
地球儀のビーチボール
「気」を巡らせる
介護で気持ちが落ち込み、うつっぽくなることも。東洋医学でいう「気」が不足し「気」の巡りが滞った状態。元気、やる気、根気…「気」とは体全体を動かす力となる、生きるためのエネルギーのことです。
香りがあるものはこの「気」を巡らし、ストレス解消につながると言われています。コラムvol.12でもご紹介しましたが、スパイスはまさに効果的。スパイスを使えば、簡単に世界を感じることもできます。夏は辛味もほどよくとり入れたい。自分を元気にするために、さぁ！ 食で世界を旅しましょう。
食で世界を旅する
日本人のように伝統的な自国の料理がありながら、世界各地の料理を楽しむ国民は少ないのではないでしょうか？ 一からスパイスを揃えるのは大変なので、スパイスがセットになったものを利用しています。ドイツ製有機スパイスミックス～メキシコ料理のチリコンカン、仏風料理の魚用ときのこ用のクリームソースはお気に入り。作り方も簡単です。
私自身も、障がい者就労支援施設「どりーむはうす」から依頼を受け、VOXオーガニックスパイスを使ったスパイスカレーキットとクラフトコーラミックスを監修しました。クラフトコーラは飲む前にレモンなど柑橘をしぼります。口いっぱいに広がるスパイスの華やかな香りと柑橘のさわやかな香りで、「気」が体に少しずつ巡っていくのを感じます。インド・スリランカとアメリカ。自分で考えアレンジした旅は最高です！
メキシコ料理
メキシコ料理のチリコンカンは高齢の母も大好き。辛味は控えめにし、サルサソースで調整します。大豆ミートで作ればヴィーガンにも対応。トルティーヤで包んだり、ごはんに乗せてタコライスにしたり、サラダに混ぜたり、使い勝手がいいチリコンカン。アボカドディップとパクチー、塩とライム、スパイスで味付けした夏野菜、サワークリーム代わりの水切りヨーグルトを一緒に。暑い時期の酸味は食欲増進の助けになり、野菜もたっぷりとれるので、おすすめの料理です。
メキシコの器を使ってより楽しい気分に
【作り方】
１．チリコンカン
<材料>（３～４人分）
・有機チリコンカンスパイス 一袋
・ひき肉もしくは大豆ミート 250ｇ
・レッドキドニービーンズ(水煮) 150ｇ
・オリーブオイル 大さじ１
・水 250ml
・チーズ（細切り） 適量
<作り方>
①フライパンにオリーブオイルを熱し、ひき肉（大豆ミートの場合は戻して）を炒める。
②水と有機チリコンカンスパイスを加えよく混ぜ合わせる。
③キドニービーンズを加えて、沸騰したら３分ほど煮込んでできあがり。
④盛り付けてチーズをかける。
２．トルティーヤ
<材料>（直径15cm６枚）
・強力粉 100ｇ
・全粒粉 100ｇ
・塩 少々
・オリーブオイル 大さじ１
・ぬるま湯 100ml
<作り方>
①ボウルに強力粉、全粒粉、塩、オリーブオイル、ぬるま湯を入れ、ゴムベラでよく混ぜる。
②台にだしこねる。硬い場合は少しずつゆるま湯を加える。なめらかになったらラップで包み３０分室温で休ませる。
③６等分し、表面がなめらかになるように丸める。
④丸めた生地を手のひらで押しつぶし、直径約15cmの円に薄くのばす。
⑤油をひかないフライパンで両面焼く。
※トルティーヤはとうもろこし粉が基本ですが、ここではオーガニックの強力粉と全粒粉を使いました。
旅は五感を刺激してくれます。各国の料理も味覚だけではなく、視覚(カラフルな色)、聴覚(パリパリ食べる音）、嗅覚(スパイスの香り)、触覚(手で食べる)など、五感で楽しんでください。広い広い世界。この夏は新しい国の料理にも挑戦してみようかな？ ポジティブ介護な毎日は、スパイスのように奥深くなりそうです。
※夏の養生については「五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方Vol.2、6、12」を併せてお読みください。
ポジティブ・エイジング アドバイザー、健康管理士一般指導員、食育インストラクター。福岡市出身。時間とともになんとなく年をとるのではなく、加齢に対して前向きに準備をしながら素敵な年齢を積み重ねてゆく＝「ポジティブ・エイジング」を提唱。東洋医学のある暮らしでうつ病や難病も克服。お子さんからシニアまで幅広い世代の方に、セミナーや講演会を開催。福岡県立高等学校食育出前講座、西南学院大学市民講座などの講師を務める。
《関連キーワード》
オーガニックスパイス, ポジティブ介護, 食養生
