【 五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方 Vol.15 】 おせち料理

毎日が慌ただしく過ぎてゆく師走。お正月のことを考える時期になりました。おせち料理は一年の始まりに年神様・ご先祖様といただく縁起物。簡単にできるものだけでも自分で作ることを大切にしています。

コラムVol.10ではおせち料理の由来についてご紹介しました。今回は伝統的な食文化を大切にしつつ自分らしく楽しむため、お料理以外の由来についてお届けしたいと思います。

重箱

おせち料理の重詰めには「福を重ねる」という意味があります。正式には五段重ですが、現代では三段重が一般的。壱の重には祝い肴(黒豆・数の子・田作り・たたきごぼう)と口取り(栗きんとん・えびの旨煮・伊達巻など)、弐の重には焼き物と酢の物、参の重には煮物を詰めます。

わが家ではお正月以外にも使いやすいアクリル製の重箱。高齢の母と二人暮らしなので、作るのは残さず食べきれるものだけ。それぞれを小皿に盛りつけ重箱に入れ、手の力の弱い母がとりやすいよう工夫しています。

吉祥文様 

縁起が良いとされる和柄「吉祥文様」の定番、松竹梅と鶴亀の小皿。カジュアルなものでも、一気にお正月らしくなります。扇・ひょうたん・菊・牡丹・桜・七宝・市松・菱・唐草・流水など、吉祥文様にはそれぞれ意味が。とり入れるとよりよい一年になりそうで気分も上がります。

☆松竹梅

元々は中国が由来。中国では三という数字はめでたい数。寒さ厳しい冬緑を保つ松・竹と、他の植物に先駆け花を咲かせる梅は「歳寒三友」と呼ばれ尊ばれてきました。長寿や子孫繁栄・気高さの象徴です。

☆鶴亀

「鶴は千年、亀は万年の寿命を楽しむ」という古代中国の神仙伝説からきています。長寿の象徴です。

紅白なます 

おせち料理を買う方でもぜひ作っていただきたい一品がなます。なぜならば、酵素は新鮮な生野菜や果物に多いからです。生の野菜が少ないおせち料理。大根には糖質・たんぱく質・脂肪を分解する酵素が含まれるので、消化を助けてくれます。つい食べ過ぎてしまうお正月におすすめの食材です。

なますもすし酢を使えば超簡単。私は普段から有機純米酢・有機砂糖・天日塩だけでできた有機すし酢を愛用。ピクルスや浅漬けを作るときにも利用しています。

【超簡単!紅白なますの作り方】

<材料>(ゆず一個分目安)

・大根    80g
・金時人参    15g
・金柑    1コ
・すし酢   大さじ1
・塩     適量
・ゆず    皮のみ

<作り方>

①大根と金時人参は皮をむき細切りにする。

②金柑は薄い輪切りにする。

③①に塩をふり軽くもんで5分程度おき、水分がでたら水気を絞る。

④②と③にすし酢を加えて、全体を混ぜる。

⑤味がなじんだら、ゆずをくり抜いた器に盛り付けたら完成。今回は金粉をのせました。

師走になりまた一段と寒さが厳しくなりました。お正月こそエネルギーあふれるオーガニックなものを食べ、健やかに一年をスタートさせたいと思います。皆さまどうぞお元気でよいお年をお迎えくださいませ。

※おせち料理については「五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方Vol.10」を併せてお読みください。

 

 

 

 

 

 


【五十嵐和恵】
ポジティブ・エイジング アドバイザー、健康管理士一般指導員、食育インストラクター。福岡市出身。時間とともになんとなく年をとるのではなく、加齢に対して前向きに準備をしながら素敵な年齢を積み重ねてゆく=「ポジティブ・エイジング」を提唱。東洋医学のある暮らしでうつ病や難病も克服。お子さんからシニアまで幅広い世代の方に、セミナーや講演会を開催。福岡県立高等学校食育出前講座、西南学院大学市民講座などの講師を務める。

 

 

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