国連環境計画(UNEP)によると、世界の7億8300万人が飢餓に苦しむ中、食料全体の5分の1が廃棄処分になっていると報告されています。生きることの基本にある「食」ですが、現代社会は、とてもアンバランスな状態にあります。
「いただきます」には感謝の気持ちと共に、「命をいただく」という意味があるそう。食品ロスとは、いただく命を廃棄してしまうこと。
「ソーセージで世界を平和に」を目標に掲げ、「縁を廻らせる」をテーマにソーセージをつくっている「燻製工房 smoke craft enne(スモーク・クラフト エンネ)」。目指すのは、単に食べ物やお金が行き来するだけでなく、生産者も買い手も、想いや感謝でつながり合うことだそう。
enneソーセージプロデューサー/猟師 中野美紀さん
2024年7月27日、4人目のお子さまが誕生したばかりの「燻製工房 smoke craft enne」ソーセージプロデューサー中野美紀(なかの みき)さん。中野さんがつくるソーセージは、プリプリの食感と肉汁に旨味があります!
ソーセージの原料は、抗生剤・肥育ホルモン剤不使用、非遺伝子組み換え飼料で開放型鶏舎に育った鶏や放牧豚、ドイツの岩塩、オーガニックスパイス、天然羊腸を使用。完全無添加のソーセージです。
美味しさの評判は広がって、2022年に販売開始後1年で8万本売れたそう。7世代先まで考えた買物を、と呼びかけています。
さらに、害獣として駆除されたイノシシの9割が廃棄されている現状を知って、狩猟免許を取得し、命をいただくためにイノシシのソーセージを試作中。
戴く命と向き合う新米ハンター
きっかけは、誰にも頼らず、家族だけで乗り越えた第ニ子出産。出産後に「母ちゃん達をサポートできる何かをつくりたい」と考え始めたことからだったとか。
第三子出産後には、「母ちゃん達に手間抜きと余白を」という想いで、『てまぬき きっちん おかんのごはん』という宅食を始動。ごはんを届けた時に出会った笑顔に、幸せとやりがいを感じました。そして、「全国の母ちゃんに届けられる何かを生みだしたい!」と千思万考し、たどり着いたのが完全無添加ソーセージです。
100g ウインナーソーセージ:800円(税込)
当時0歳だった末っ子をおんぶして、累計200kg以上つくったソーセージは、口コミで広がっていきます。現在では、佐賀県唐津市七山という自然豊かな場所の工場を構える「燻や」に委託することで、毎月たくさんのソーセージ製造が可能になりました。
ギフトセット:プレーン(100g)×3、ジビエレモン(100g)、
富士子ベーコン、つぶつぶマスタード
5,400円(税込、送料別)
「生きるを、食べる」を伝えるため、中学生への講和やお話会も行っています。屠畜場の事やジビエの解体など、生きること、食や命との関係性、そして現実を知ってほしいという中野さん。食を通じて、命の在り方を伝える活動を続けています。
食べるため、生きるため、育てるために命をいただかなくてはならない。だからこそ、そこに敬意の念が生まれ「勿体ない」という言葉が生まれたのだと思います。
燻製工房smoke craft enne https://smoke-craft-enne.stores.jp/
インスタグラム https://www.instagram.com/miki222enne/
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |