ヴィーガンとサステナビリティ。プラントベースのバイオレザーからつくられる「LOVST TOKYO」のバッグ

食品ロスにアプローチする「バイオベース」でつくられるヴィーガンレザーに注目が集まっています。大量に廃棄されるりんごジュースやワインの搾りかす、コーンなどから良質なヴィーガンレザーが開発されているのです。

ヴィーガンは、環境やアニマルウェルフェアに配慮した食を中心とするライフスタイルの選択肢のひとつ。エシカル消費の観点から、食以外でもヴィーガンの需要は高まっています。一方で、焼却によってダイオキシンが発生するPVCを含む合成皮革や人工皮革も「ヴィーガンレザー」として、ファッションや自動車、靴、家具などで使われているのが現状。

環境への影響を最小限にするバイオレザー

LOVST TOKYO(ラヴィスト トーキョー)」は、廃棄りんご由来のアップルレザーをはじめ、野菜やフルーツをアップサイクルしたプラントベースのライフスタイルブランド。
※アップルレザーとは、りんごの皮や芯などの廃棄物からつくられた革のこと。アップルスキンとも呼ばれています。

2010年からアップルレザーの製造を始めたイタリア・フィレンツェにある「Mabel社」の素材を使って、オリジナルのバッグや革小物がつくられています。イタリアは、伝統的にベジタブルタンニンなめしが行われてきた革産業が盛んな国。

現地工場の様子

LOVST TOKYO」によると、イタリア北部の果樹園では、年間220万トン以上ものりんごが収穫され、そのうちの5万トン以上が産業破棄、または一部投棄され異臭の原因になっていたそう。アップルレザーの生産は、「Mabel社」のりんごジュースの工場からでる食品廃棄物の課題を解決したいという想いから始まりました。

上品な丸みのあるシルエット
Apple Rucksack 600g:24,200円(税込)
38cm(H)×27cm(W)×12cm(D)
カーボンフットプリントは13.8kg-CO2

そして、廃棄されていたりんごの絞りかす(皮や芯)を乾燥させ、合成レザーの原料の一部としてアップサイクルするというアイディアが生まれます。レザーの風合いを損なわないよう、りんご由来のバイオ成分20%~30%ほどの分量に最高品質のポリウレタン樹脂を配合。

オーバーナイトにも使える
13インチのラップトップが余裕で入る大きさ
Apple Tote Bag 440g:24,200円(税込)
45m(W)× 30cm(H)×12cm(D)
カーボンフットプリントは15.56kg-CO2

「Mabel社」は、これまでに約30,000トンもの廃棄りんごを利用。イタリア産アップルレザーは、植物由来のヴィーガンレザーの中でも最高品質の樹脂を用いることで耐久性にも優れています。軽量で撥水性にも優れ、お手入れも簡単。水に濡れても心配する必要はなく、アニマルフレンドリーなのでエシカルヴィーガンに安心のアイテム。さらに工場では、生地の生産の際に用いる水の95%が再利用され、環境負荷の少ない循環型の生産体制を推進しています。(参考:LOVST TOKYO

携帯電話や小さなお財布
鍵が入るスペースも
【Alexandra K】
Faith Mini Corn Hand Bag:27,300円(税込)
17.5(W)×13,5(H)×8.5(D)

LOVST TOKYO」のセレクトブランド「Alexandra K」は、2014年にポーランドでAlexandra Kościkiewiczによって設立されました。品質に徹底的にこだわった、職人による完全なハンドメイド。「Faith Mini Corn Hand Bag」は、43%コーンポリオール(とうもろこし由来)と26%のFSCビスコース(木材パルプからつくられた再生繊維)、ウレタン樹脂から構成されています。バイオベースの含有量は、約69%と合成レザーの中で最も環境に配慮。サイズ感やフォルムがとてもキュート。2wayなので、いろいろなシーンで活躍しそう。

 

「ヴィーガンとは、人間に支配されがちな動物たちのためを想った主義」だと言います(参考:アニマルライツセンター)。それは、利己的ではなく利他的な思い。「LOVST TOKYO」の代表取締役、唐沢海斗(からさわ かいと)さんは、「皆様のライフスタイルに寄り添った巡り(循環)の良い暮らしを届けようと決心した」と語っています。ファッションのサステナビリティのベースになるものだと感じました。

 

LOVST TOKYO https://lovst-tokyo.co.jp/

企業情報

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執筆者:奥田 景子

ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。

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