【OLE2021】オーガニックの潮流。地域の取り組みやオーガニックプロジェクトを知る機会

「オーガニックライフスタイルEXPO」では、年々地域から発信される新しい取り組みが増えています。新たな時代の流れを知ることは、とても貴重で楽しみです。地域に根差した特徴ある農産物、それぞれのプロジェクトなど、今回もワクワクする学びの場でした。

 兵庫県・神戸市西区の「BIO CREATORS」、埼玉県の「S-GAP」、千葉県・木更津市の「木更津オーガニックシティプロジェクト」をご紹介していきます。

 

神戸市西区の有機農家グループ「BIO CREATORS

「神戸有機農業者CSA推進協議会」は、神戸という都市で有機野菜が日常になる社会を目指しています。「BIO CREATORS」という有機農家さんのグループによって、「CSA(Community Supported Agriculture)」に相当する活動がおこなわれています。神戸と言えば、都会のイメージですが、西区は農地が広がる場所だそう。

提案されている”CSA FARM-SHARE”では、野菜の作付け費用として、数ヶ月~1年間の野菜代金を農家に先払いし、育った野菜を後から受け取る仕組みになっています。農地をシェアすることで、有機農家さん達の安定的な収入になるというもの。農業の根本的な課題解決につながっています。

ビールから循環する「神戸産原材料100%で究極の神戸ビールをつくる」というプロジェクトも立ち上げられました。「BIO CREATORS」と「IN THA DOOR BREWING」による、100%神戸産の原材料(麦・ホップ・天然水)でローカルビールを醸造するという取り組みです。

ビールの醸造過程で廃棄されていた「しぼった後の麦芽」からつくられたグラノーラが、商品開発され販売されていました。

オーガニックモルトのグラノーラ

「BIO CREATORS」にとって、このプロジェクトは将来的に有機農業者を増やすための施策のひとつ。耕作放棄地でも、オーガニックで大麦を栽培するのは、それほど手間がかからないものだとか。大麦の栽培が、地域の有機農業の発展へとつながることが期待されています。

神戸有機農業者CSA推進協議会 https://biocreators.org/

 

埼玉県の「S-GAP」と「エコ農業」

埼玉県では、埼玉のGAPとして、「S-GAP」が推進されています。GAPとは「Good Agricultural Practice」の略。直訳すると「良い農業のやり方」で、適切な農場管理のこと2021年6月からHACCPが完全義務化され、「GAP」の重要性が高まっています。

また、持続的発展が可能な環境保全型農業を推進するため、平成26年度に定めた「埼玉県エコ農業推進戦略」を令和33月に改定されました。

今回はパネルのみの展示でしたが、埼玉県の「GAP」は、無料で実施されること、食品安全、労働安全、環境保全などがわかりやすく表記されていました。食についての意識の高まり、有機農産物への需要の高まりが感じられる展示でした。

埼玉県有機農業農産物安全課
https://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/a0907/index.html

 

木更津市「木更津オーガニックシティプロジェクト」

日本初の「オーガニックシティ」をかかげ、未来につながるまちづくりに取り組んでいる木更津市。最近では、同じ千葉県のいすみ市と並び、オーガニック給食の推進でも知られています。

木更津市のオーガニック農産物や食品はもちろんですが、ライフスタイルとしてのオーガニックにも重点がおかれていたと感じました。「移住」や「二拠点生活」、「農業移住」、「DIY移住」などのパネルが並んでいます。木更津市は都心から近い場所に豊かな自然があり、魅力的な立地。さらに、今まで取り組まれてきた、まちづくりのカタチが広まって、その価値に共感する人も増えているようです。

木更津市オーガニックシティプロジェクト推進協議会 https://www.k-organiccity.org/

 

他にも興味深い自治体の取り組みがありました。高齢化や耕作放棄の増加など、農業の課題解決とサステナビリティにつながる取り組みは、さらに加速して広がりをみせています。

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執筆者:奥田 景子

ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。

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