【Go Organics Japanの挑戦 ―熊本天草編 Vol.11】~自然とともに歩む農のかたち~平山農園さん視察(前半)

天草は熊本県の西部に位置し、美しい海と自然、歴史ある教会群が魅力の諸島です。
今回は天草諸島東部に位置する上天草市で自然栽培をされている平山農園さんをご紹介します。

昼休みにご自宅へ伺うと、小屋の方から何やらおしゃれなBGMが。
先日こちらで、春分の日に「よもぎ餅を作ろうの会」を開催された際、釜戸でもち米を蒸したり、奥に昔のおばあちゃんちのような台所があって懐かしい気持ちになった。

音楽を流しながら作業日誌をつけておられた平山さん。

「作業日誌はいいですよ~。」
現在34冊目。これまで、日々の農作業、その日の出来事を書き留めてこられたそう。このノートを見返せば、忘れてもすぐに確認できるし、先の作業計画も立てやすいという。

 ご自宅も案内いただくと、定期的にマクロビレッスンを開催されるというかわいいキッチン付きのお部屋や、平山農園ルームシアターもあり、いつでもゲストをお迎えできるように、とてもきれいに整えられてあった。

音楽を聴きながら事務作業、飲み物を片手にPCでいろんなオンライン会議にも参加できるし、猫たちも寛ぎにやってくる。イベントやご友人との飲み会を開催されたりと、たくさんの人が集まり交わるこの場所では、ゆっくりと時間が流れていくように感じた。

代々、農家を営む平山家の長男として誕生した平山さん。お父さまは元々、酪農業と花卉栽培をしていた。この辺りは、昔から酪農家が多く、花卉農家も盛んな町である。

高校受験の時、農業を継ぐつもりはなかったが、なんとなく県内の農業高校へ進路希望。(お母さま曰くお父さまは大喜びしていたとか。)高校卒業後、研修を経てから補助金制度を使ってハウスを建て、きゅうり栽培を始めた。その頃は米とレタスを作っていたご両親を手伝いながら、きゅうり栽培は一人で挑戦。
うまくいかない時は、近くの農家の先輩たちがいつも助けてくれた。

 平山さんが自然栽培をはじめるきっかけとして印象に残っているのは、有機栽培のいちごをもらった時のこと。農業者が集まる会議で、ある農家さんから「食べてみらんね~」と受け取って帰宅するまでの間、車内がいちごの香りでいっぱい。我慢できずに一粒食べたときの感動が忘れられないと言う。

 お母さまが農薬散布の作業のあとにいつも手荒れしていた姿や、農薬散布のあとの酒は控えた方がいい(体調不良になりやすい)という先輩からのアドバイス等、少なからず農薬の悪影響を感じていた。

ずっと昔から有機農業を貫いてきた先輩が身近にいたり、ラクトバチルス(いわゆる乳酸菌)について深く学んでいくうちに、自然と有機農業の道へ進み始めたという。堆肥作りも自分で試行錯誤しながら、きゅうりと玉ねぎを栽培。お父さまの反対とお母さまの介護という環境的にも辛い時代だったと振り返る。

でも、時間が経つにつれて周りが気にならなくなり、言い合いやケンカもしなくなったそう。相手には相手の事情があるし考え方も違う、それでいい。自然界で微生物や虫、いろんな生き物たちと共存しながら育っていく野菜のように、平山さん自身のあり方も変わったのだ。(次回へ続く)

 GO Organics Staff
Hiromi Arakawa

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一般社団法人ゴーオーガニクスジャパン(GO Organics Japan)代表 田中美穂
香港・タイ・日本で活動する非営利団体「GO Organics Peace International」の日本拠点。
2015年5月に活動をスタートし、無農薬・無化学肥料で農業を営む農家さん達と消費者を繋げる活動をしています。
また、農業ボランティアや農園運営での実践、シードマイスター、オーガニックコスメアドバイザー、フードコーディネーターの学びを通じて、種や土のこと、安心して使えるオーガニックコスメ、オーガニック食材を使った料理など、日常の生活に取り入れてもらうための活動もおこなっています。
https://goorganics.jp

 

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