五十嵐和恵の暮らし方コラム 冬

【 五十嵐和恵の季節に合わせた暮らし方コラム Vol.4 】 2019.11.8~2020.2.3 冬の過ごし方&食べ方

 
冬~植物は葉を落とし、動物は冬眠します。自然界では春に備えてエネルギーを蓄える時です。私たち人間も体力を蓄える時。冬の過ごし方&食べ方が、立春からはじまる一年の体調を左右します。冬は、春夏秋冬の中で一番養生が必要な季節です。

寒さと乾燥に注意~体の中も保温と保湿を

冷えは万病の元。服装や暖房だけに頼らず、体の中から温めることも意識しましょう。体を温める作用のある食べ物(カブ、ニラ、カボチャ、ネギ、ショウガ、ニンニクなど)を食べ、体を冷やす作用のある食べ物(トマト、キュウリ、ナスなど)や、体温より温度の低い食べ物・飲み物を控えることが大切です。

また、呼吸器が乾燥していると、細菌やウィルスが体内に入りやすくなります。秋のコラムでお伝えした、呼吸器に効果的と言われる「白い食材」は冬にもおすすめです。

 

ゾクッとした時に温めるツボ「風門」

寒さでゾクッとして風邪を引きそうな時、背中上部肩甲骨の間にあるツボ「風門(ふうもん)」にカイロを貼ると風邪にかかりにくいと言われています。

東洋医学では、体に悪い影響を及ぼす気候の状態を「邪」と言います。風が「邪」となると「風邪(ふうじゃ)」。「風邪」が入るところが「風門」。「風邪」が入ると「風邪(かぜ)」をひきます。

万が一風邪をひいてしまっても、ゾクゾク寒気がする風邪の場合「風門」を温めると治りが早くなるそうです。

ハートマークが風門のツボ

 

一年で一番養生が必要な季節~呼吸器の変化に気をつけて

疲れを溜める、寝不足を続ける、日々はげしいスポーツをするなど、エネルギーを消耗してしまうと、春になり気候がよくなっても気力・体力がない、という状態に。無理をせず、滋養のあるものを摂り、新たな一年のためにエネルギーを蓄えましょう。

のどが痛い、咳や鼻水がでる… 呼吸器に変化を感じた時早めに対応することが風邪やインフルエンザの予防にもなります。そんな時に、ぜひ試してほしいのが「れんこん湯」。

れんこんはハスの地下茎。れんこんの穴は、酸素の少ない泥の中で育つための空気口なので、まさに人間の呼吸器と同じ。れんこんが呼吸器に効果的と言われるゆえんです。風邪予防に効くビタミンCも豊富。アレルギー物質を抑えるタンニンも含まれるので、花粉症にも効果的です。

心身がほっこりする「れんこん湯」

【れんこん湯】
〈材料〉(一回分)

・れんこんのしぼり汁 大さじ3
・しょうがのしぼり汁 数滴
・自然塩 少々
・お湯 150cc

〈作り方〉

①  よく洗ったれんこんの節とその前後を皮付きのまますりおろし、しぼる。
②  しょうがをすりおろし、しぼる。
③  ①と②と自然塩をコップに入れ、お湯を注いで完成。

れんこんは、生と加熱では異なる作用があります。生のれんこんは、体の熱を冷ますことで、口やのどの渇きを潤し、のどの痛みや咳・痰の改善によいと言われています。とくに薬効が高いのは、普段捨ててしまう節の部分。節つきのオーガニックれんこんを常備し、上手に利用してみましょう。

クリスマスに年末・年始。冬はなにかと慌ただしい季節です。体の内と外から保温と保湿し、どうぞ健やかにお過ごしください。

 

【五十嵐和恵(いがらしかずえ)プロフィール】
福岡市出身。時間とともになんとなく年をとるのではなく、加齢に対して前向きに準備をしながら素敵な年齢を積み重ねてゆく=「ポジティブ・エイジング」を提唱。東洋医学のある暮らしでうつ病や難病も克服。お子さんからシニアまで幅広い世代の方に、セミナーや講演会を開催。福岡県立高等学校食育出前講座、西南学院大学市民講座などの講師を務める。

五十嵐 和恵 公式Instagram

 

 

 

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