「第6回オーガニックライフスタイルEXPO2021」(以降OLEと表記)は2021年9月16日(木)から18日(土)に開催され、好評のうちに幕を閉じました。“エシカル”“オーガニック””SDGs”など、世界中でキーワードとなっている「言葉」をトレンドワードとしてではなく、日常的な行動として定着する社会の実現を構築するというOLEの目標は、さらに広まり深まったような印象をうけました。
オーガニックライフスタイルEXPO事務局によると今年の出展社数は207小間に204社。3日間、曇りや雨の日もあったのですが登録来場者総数は1万を超えたそう。
そんなOLE内にできた株式会社GMPCプロデュースの新しい企画エリア「THE MARKET」のコンセプトは“オーガニックをもっと日常に”。 「オーガニック」を一部の人達の特別なものではなく、もっと身近で親しみやすいものとして紹介されていました。
生産背景のストーリーを知る
入り口には、ロスフラワーを回収し新たな命を吹き込む取り組みを行う「株式会社RIN」のドライフラワーにショッピングカートと、間伐材を使用した「レンブロック」を組み合わせたディスプレイ。
初めに、PRの浅田優(あさだ ゆう)さんから「身近な半径1㎞のところから、自分にとっても地球環境にとっても良いモノ。つまり、日用品をより良いものに変えていこう、ということで、地方のファーマーズマーケットのようなイメージをコンセプトにしています」と説明がありました。
そんな「THE MARKET」で展示されていた12ブランドの中から、いくつかをご紹介します。
OUPS
オーガニックコットン、水資源やCO2排出に考慮したリサイクル素材、無染色ウール、環境に配慮したパッケージなど、エコフレンドリーな素材を使用。材料のみならず社会貢献活動にも取り組むことを大切にしている「OUPS(ウップス)」。
草木染のソックス、像のウンチから生まれたゾウさんペーパーでつくられたタグ。リサイクル素材もありますが、古着のデニムをソックスにしたり、Tシャツを裁断し糸にして再度ソックスにしたりとアップサイクルを採用したアイテムも。
BAGGU
「BAGGU(バグゥ)」は、カリフォルニアで生まれたバッグブランド。丈夫で長持ち、コンパクトに収納できるナイロン製バッグは、現在は40%再生素材を含むリサイクルナイロンでつくられています。
来年には100%の再生ポリエステル使用を目指し、楽しく気軽に使える商品をラインナップ。レジ袋の有料化で需要も高まり、サイズのバリエーションがあるので人気のアイテムです。
buøy
「buøy(ブイ)」には、「海洋プラスチックごみ」ほぼ100%でつくられたカラフルなプロダクトが揃っていました。「buøy」は、プラスチックのネガティブな側面の情報だけでなく、長所や特性も理解したうえでプラスチックとの共生の仕方を社会と考えていきたい、という思いがあります。
ボランティア団体や企業の人たちが、実際に海岸で拾った海洋プラスチックごみを色分けしてつくられています。メッセージ性がありながら、インテリアとしてもキュートな雑貨たち。すべて異なる色や模様を持ち、二つとして同じものがないところが魅力。プラスチックをつくっている企業のプロジェクトなので、壊れたり古くなっても廃棄しないで。問い合わせすれば、また新しく生まれ変わる素材になります。
manma naturals
「manma naturals」に並んでいるのは、無添加や純植物性、グルテンフリー、できる限りオーガニックと、安心して食べることができるものばかり。エコ包装でケミカルフリーなど、人にも地球にも配慮。美味しくてヘルシーなこだわりの食品は、自社でも製造しています。
バリ島の天日塩「TEJAKULA(テジャクラ)」は、昔ながらの製法でつくられているフェアトレード商品。現地の人と話し合いながら、現地の人の健康に合わせてやり取りされているそう。
バナナが縦にカットしてあるところが美味しさの秘密。深い味わいで美味しい、アフリカの無農薬のドライフルーツ。鹿児島の無農薬玄米のパンケーキミックは、自社で粉を引くこともあるとか。
デザインはスタッフで、障がい者施設の方が一つ一つ手編みした食器洗い。カタチに工夫があり、使いやすいと大人気です!
HARVEST&MILL
2012年設立されたサンフランシスコのカットソーブランド「HARVEST&MILL(ハーヴェストアンドミル)」。オーガニックコットンの農家とも提携して、紡績から縫製までトレーサビリティが取れる信頼のブランドです。
自然由来の染料使用やエネルギー、水、プラスチックの削減など、トータルでサステナビリティに取り組まれています。また、アメリカのオーガニックコットン農場など古くからある工場のコミュニティをサポートし、環境に優しくエシカルなサプライチェーンを築いています。無染色のコットンのソックスは、茶綿や緑綿の色がそのままでています。
KOSMIC MARKET
海外のオーガニック化粧品や食品を輸入販売する「KOSMIC MARKET(コズミック マーケット)」。「オーガニックブランドの多くは自然を愛し、尊重し共存する方法を知っている」。そんなオーガニックやカーボンニュートラル、CO2 の削減など環境問題に積極的に取り組んでいるブランドのラインナップです。
アメリカのコスメブランド「EO(イーオー)は、小規模でアットホームなオーガニックブランド。オーガニック認証はもちろん、遺伝子組み換え植物を使用していない「NON-GMO」認証も取得しています。家族で気軽に使える姉妹ブランドの「everyone(エブリワン)」も人気。
「MEDTERRA(メディテラ)」は、アメリカでCBDブランド売上No.1。とくに健康にこだわるトップアスリートから信頼されているそう。その理由は、純粋なCBDのみを麻から抽出しているから。オイル以外にもカプセルやクリームなど、用途に合わせて使えます。
「Oshadhi(オシャディ)」は、植物学者がつくった医療グレードのエッセンシャルオイルブランド。いつ、どこで、どの農家さんによって収穫されたのかがわかる「バッチナンバー」が入っているそう。エッセンシャルは、季節によって香りや効果が違うもの。ワインやコーヒーのようにシングルオリジンのエッセンシャルです。
「THE MARKET」から、オーガニックやナチュラルなど、こだわりの生産背景を知ることができました。オーガニックが日常になることで、生活の中のアクションが変わっていくと感じます。例えば、ゴミを拾うなど小さな行動が大きな意識の変化につながっていきそうです。
一般社団法人 オーガニックフォーラムジャパン(OFJ)
https://ofj.or.jp/
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |