「WANOWA」は、“香り”で貴重な生産者が伝える技術や伝統、そこでしかつくれないものを残していこうと始まったプロジェクト。現地の人々、農家さん、大学や行政が協力し第一段のアイテムが完成しました。それが、石川県能美市の中山間地の国造地区でつくられている国造ゆず(こくぞうゆず)を使ったハンドクリームとフェイスパックです。
有機栽培の国造ゆずの香りを生かしたものづくり
国造ゆずは、昭和61年から本格的に生産が始まった能美市の特産品だそう。農薬不使用の有機肥料栽培で、大切につくられています。どちらかと言えば、暖かい地で栽培されている印象のゆずですが、石川県能美市では、農家の家には必ずゆずの木があり、昔から地域の人々にとって密接に関わりがあるものだったとか。
国造ゆずを管理をしている主な農家さんは還暦を迎える方々で、この地でも高齢化に後継者不足という問題があります。
柚子生産者の塚田さん
ハンドクリームとフェイスパックは、国造ゆずの原産地でもある「能美市」と国造ゆずを生産する「国造柚子生産組合」、北陸先端科学技術大学院大学の永井研究室、植物由来のナチュラルな精油の香りでものづくりをしているキャライノベイトが産学官連携して開発されました。
商品化の企画が進められました
香りを嗅いだだけで、瞬時に違いが分かるというフレッシュなオーガニックの国造ゆず。ハンドクリームとフェイスパックは、ゆずの果皮から抽出される精油と芳香蒸留水をたっぷり使い、貴重なゆずが丸ごと使用されています。
左)WANOWA HAND CREAM/ 30g/ H148×W55×D27mm:2.160円(税込)
右)WANOWA FACE PACK/ 1PACK(20ml)/H135×W110mm:756円(税込)
防腐剤のパラベンやフェノキシエタノールフリー、合成香料も合成着色料もフリーというナチュラルコスメの処方でつくられています。パッケージは、シックなネイビーに明るく元気になりそうなゆずのイエロー。
商品の売り上げの2%は、貴重な無農薬柚子の持続的な生産を支援する活動へ寄付されています。
国造ゆずの花
最近では、和のオーガニックコスメも注目されています。柚子は飛鳥時代、奈良時代に中国から渡来した植物ですが、今では生産量も消費量も日本が1位。冬になると必ず生活の中に登場するもの。そんなゆずは、もう日本の植物と言っても良さそう。
石川県能美市の農家さんが育てたゆずが使われたアイテム。高い保湿力とゆずの香りがそのままコスメになって一年中使えるなんて、贅沢な気持ちになります。
WANOWA https://www.wanowa.co/
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |