赤ちゃんが生まれたら、少しでも安全な食事を心がけたいと思います。もちろん手づくりの離乳食が一番だと思いますが、お母さんの一日は大忙し。そんな日々には、ベビーフードを上手に使ってみても良さそう。
滋賀県にある「株式会社はたけのみかた」は、地元の季節の食材で「manma四季の離乳食」(以降manma)というベビーフードをつくっています。使われている米や野菜、果物は、契約農家さんがつくる無農薬・無化学肥料栽培のもの。さらに、添加物やアレルギー特定原料の7品目を使用せず、放射線量も計測済みで安心できるものです。
最高の離乳食でお母さんたちと農業の支えになりたい、という思いで設立された「はたけのみかた」。取締役を務める「永末晃規(ながすえ あきのり)」さんにお話をうかがいました。
便利で可愛いパウチを提案。子育てと農業支援の両立
月齢別4種のラインナップ:420円~460円(税込)
親子の気軽なお出かけや旅行に便利なところは、manmaの特徴のひとつ。
「自立型のパウチを採用しているのでそのまま器代わりにできるし、軽量で持ち運びも楽です。中身が見える透明パッケージで、見た目の可愛らしさも意識しました。オンラインストア限定ですが、ギフトボックスも好評です」
月齢別で、少しずつ大人の食に近づいていけるような配慮があります。パンにかけたり、おかゆにかけたり、スープのベースとしても、いろんなアレンジも可能です。
「manma四季の離乳食」には旬の野菜がたっぷり
離乳食の開発で、大変だったところをうかがいました。
「大人は食事の際に、情報や価格、手間など多くの要素から美味しい美味しくない、を判断すると思います。そもそも言語を習得していない赤ちゃん相手だとそれがまったく通用しません。子育てと農業支援の両立というmanmaのコンセプトについては、積極的に情報発信をおこなっていますが、最終的には赤ちゃんが食べるか食べないかに委ねられますから、つくづく特殊な商品ですね」
さらに、manmaは滋賀県の産婦人科「南草津野村病院」の野村先生や管理栄養士、シェフ、殺菌の専門家、お母さんたちが意見交換会や試食会をおこない、さまざまな視点を取り入れて開発されました。
滋賀県の環境保全型農業を支えるために
契約農家「ゆたかマンの農園」の中村さん
とくに、manmaで意識されているのは地産地消です。地元農業の発展のために、滋賀県産のもののみでつくられています。
「米と野菜は、滋賀県の農家さんと直接取引しています。実際に顔が見える距離の農家さんと、信頼関係の元で取引をおこないたいと思っているからです。滋賀県は、米づくりは盛んですが野菜の栽培はそれほどではありません。なので、新規就農で小規模な農家さんと積極的に取引を行い、県の農業を支えたいと思っています。農薬や化学肥料を使わない農法だと、規格外のものができやすいのですが、加工や風味に問題なければ、規格外の農産物でも通常と同じ価格で買い取っています」
ウェブサイトで農家さんのストーリーが伝えられています
新しく「私たちは農家ではなかった」というウェブサイトもオープンしました。
「manmaは農家と子育て世帯の橋渡しになる商品として企画開発していますが、それをさらに補強する役割を果たしたいと考えました。manmaの裏面ラベルには、原材料の野菜農家さんの名前も記載しています。それぞれの農家さんが、さまざまな経緯で就農されているので、新規就農を希望する人にも参考になる内容だと思います。また、自身のHPやプレゼン資料を持っていない農家さんが、新規の取引をおこなう時に自己紹介のツールとしても使っていただければと思っています」
定期的に契約農家さんとの食事会や農園見学、種の交換会なども実施されています。最高の離乳食は、「つくり手」との距離が近く信頼性が高いものだと感じました。
《関連キーワード》
地方創生, 無農薬・無化学肥料栽培, 離乳食
執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |